市販キャンヴァスの裏側をあえて使い、麻布の地を生かしつつ
  部分的にアクリル絵具で着彩を施し構成

 外山文彦    CANVASシリー ズ


↓ “文学と美術のライブラリー”遊文舎(新潟県柏崎市 /2011) での
個展会場に掲示した作者挨拶文
(クリックすると大きくなります)
toyama/canvas19902010.jpg


                                 ↑ 左:新潟絵屋・個展(2008) 右:カフェ・ド・ ギャルリ伝(東京・経堂/1994)  




展評・作品評/掲載紙

■2007年9月3日新潟日報・文化欄 (左画像)
   「県人アート」外山文彦-色の組み合わせ自在- (評:藤嶋俊會/美術評論家)
■2008年7月11日新潟日報・文化欄
   虚と実のカンバス間を往来(評:佐藤秀治/美術家)
■2011年3月31日新潟日報・文化欄
   明解な色彩で創る平面空間(評:舟見倹二/美術家)




明解な色彩で創る平面空間   外山文彦CANVASシリーズ1990- 2010

 (個展評/新潟日報2011年3月31日掲載)     

いま外山 作品に対峙した時、その絵画に見えるものは「どこまでも自立する抽象表現の追求を平面に試みてい る」と言ってもよいのではないだろうか。そこに は確かな色面の、限られた構成のなかで生成された平面空間が存在する。
その作品はキャンバスの裏地を表にし、描かれるべき白いキャンバス面に抗して「裏返す」という逆な手法を選ぶ。単なる感覚的選択とは異なり、表裏のあり ようを日常への接点とした思考が作為として推察できよう。
麻面の素の色面をベースにするこの構成の原点は、作家がまだ大学在学中の二十数年前のことであるが、たしかな方向が現れたのは、現代の絵画が公募で大々 的に競われた一九九四年の第一回「感動創造美術展」(主催:福田組)での受賞作品にあろう。今展は、この二十年の制作から作家が自選した作品で展示構成さ れ る。
 作品は簡素で、アクリル絵具で部分的に着彩された明解な色面の構成がフラット な空間を創りながら、キャンバス地特有の肌合いと微かな色調の差が調和を引き 出す。また、分割された枠面のつくる接合部の、境界を形成するラインも見逃せない。区分するように塗られた色面に生じるラインとは別に、細い谷間に影を落 としての分割線となる。
垂直または水平、あるいは斜行するその境界に視線がむかい、行きかう静かな響きともとれる世界を感応する。それらはこの抽象の形態から感じとるイメージ となり、観るものとの間に言葉を創り出すに違いない。

(舟見倹二/美術家)

■ 外山文彦 展「CANVASシリーズ1990-2010」は、2011年4月2日〜10日、游文舎ギャラリー(柏崎市)、2011年5月5日〜17日、 ギャラリーゆうむ(新潟市)で巡回開催

  ← Asa.12-01(2012年)

                 東京・汐留シオサイトの高層ホテル「ロイヤルパーク汐留タワー」客室 数部屋に展示(2012年)  ↑
                 ※ 期間限定での展示企画のため、現在は飾られておりません。

小冊子(作品&批評集)「外山文彦・CANVASシリーズ 1987-2012
 
2012年11月発行/編集・制作:アトリエZen
http://atelierzen.blog.fc2.com/blog-entry-1684.html

 

  

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